第12回 昭和52年「ペットロック」トミー

ペットロック 昭和52年(1977年)
スーパーカーブームだったのだ、この年は。「少年ジャンプ」に連載された池沢さとしの「サーキットの狼」によって、子どもたちは高級カメラを親にねだり、街頭で見かけるスーパーカーを撮りまくった。映画「爆走5000キロ」「クラッシュ」などもブームの後押しになり、やがて、ミニカー、模型、ラジコンなどのおもちゃにも波及し、大ブームへ。それとは別にテレビゲームも出はじめ、ピンク・レディマイクなどキャラクター商品も華やかに店頭をかざり、景気低迷の不況感がある割には表面的には玩具業界は元気だった。
 

 そのような環境とは、一線を引いた、へんなおもちゃが発売されていた。その名は「ペットロック」1976年アメリカで突如湧きおこったペットロックブームが、月並みな言い方だが77年に「日本に上陸」3/25にはトミーから発売され、値段は800円。
 

 まあ、その名の通り、ただの石なのだが、石をただ眺めるだけではなく、犬や猫のようにペットとして扱うというノンセンスな商品。コンセプト玩具とでもいうのか、日本的にいうと「シャレ」だけど、アメリカでは400万個も売れたってんだから驚きだな〜。なお、この商品を買った人は「来い」「お座り」「伏せ」など基礎訓練をし、入浴させ、時間になったらベッドに入れ休息を与える、というルールを守らなければいけない。石の入っている箱には息ができるように穴もあいており、中には布も敷かれており、おとなしく鎮座しているという(決してこれはへんな信仰ではない)。添付されている、躾け方の本によると「この本の第一項を読むまでは、ペットロックを箱から出さないでください」と記されている。つまり、中国よりの長い船旅でようやく日本に着いたペットロックは新しい環境、人におびえて、固くなっているから(石だろ)大事に接する事が飼うコツらしい。「な、な〜んという、ノンキな時代だったんだ〜」とここまで書いてて思ってしまったが、この時代、新しい流行がどんどん出没していく中で、このような、商品が出たってことは、きっと時代の要請で、昭和のバランスでもあったんだろうなあ〜と、なにげに、考えさせられました次第であります。